信託保全で資金は100%保護されるが、問題もある
fx業者が倒産した場合、信託保全によって自己資金は100%保護されます。
ペイオフのように1000万という金額の上限もありません。
今は、信託保全は義務化されていますので聞いた事がないような業者でやらない限り資金がなくなる心配はないでしょう。
しかし、信託保全があるからといってfx業者が倒産した場合、何も困らないかというとそうでもありません。
問題もあります。
どういった問題があるか説明します。
1) ポジション強制決済
業者により若干異なる場合があると思いますが、ポジションは強制決済されます。
例えば含み損を抱えていた場合などは損失が確定するし、利益を伸ばそうとしている場合は少ない利益が確定します。
どちらにしても自分の意に反して決済されてしまいます。
2) 資金凍結
自己資金は保護されて返ってきますが、すぐに他の業者で取引が出来るわけではありません。
自己資金で元のように取引が出来るようになるには一定の時間が必要になります。
取引が出来なくなるため機会損失をするという事になります。
実際に倒産したfx業者はこれだけある
fx業者の倒産というとイメージがわきにくいかもしれませんが、今でこそfx業界の努力で安心して取引できる業者が多くなりましたが、1998年〜2008年のリーマンショックぐらいまでは資産の分別管理もできてないような悪徳業者も多くいました。
過去に倒産したfx業者を何社か紹介します。
ここで紹介する以外にも廃業した業者もあり、倒産だけでなく廃業も注意しないといけません。
2007年11月に倒産
会社関係者はお金を持って夜逃げしたと言われて最低のFX業者と言われています。
2008年3月 30億以上の負債を抱えて倒産
2007年10月 サブライム取引で失敗し23億の借金
倒産ではありませんが、
2008年9月にトレーダーズグループのトレーダーズFXが自己資本規制比率の低下を理由にFX事業を停止しています。
また、2008年にはひまわり証券がリーマンショックのあおりをうけてfx以外の個別株や日経225が業務停止に追い込まれました。
会社自体が危ないと言われていました。
いずれも結構昔のことですが、しょせんは昔のことなどど思ってはいけません。
自己資本規制比率の低下などは今でもあり得るでしょう。
比較的新しい事例を紹介します。
121証券が2011年11月自己資本率が100%を下回り業務停止の行政処分を受けています。
その後にレクセム証券と社名を変更して証券業務から撤退しました。
また、2015年にはスイスフランショックで欧州の大手FX業者の「Alpari」が破綻しました。
日本法人のアルパリジャパンも影響を受け、ポジションは強制決済をされ新規に口座開設もできない状況となりました。
スイスフランショックとはスイス国立銀行が1つの発表を行ったことによって、スイスフランの買い注文が殺到し世界中の通貨が暴落し、スイスフランが暴騰するという事態の事です。
このようにfx業者の倒産というのは今もないというわけではありません。
倒産しにくいfx業者を選ぶ事が重要
今はどのfx業者も信託保全をして自己資金と顧客の資金をわけて管理しているというのはあたりませんです。
昔のようなアルファーFX・札幌FXのような会社はないにしてもfx業者が倒産する事は十分に考えられます。
fxを始めるならまず倒産しにくい会社を選ぶところから始めましょう。